御滝中学校 木元 裕貴 相撲道

御滝中学校 木元 裕貴 相撲道 中学生の相撲紹介

優勝争いは、貴景勝と正代を中心に回ってくれるのか? 

大相撲11月場所もまだ3日目が終わったところだけど、豊昇龍が良い。とにかく四つ身が良くなった、と思う。始まったばかりだけど。今までは右下手が深く、そして左足を大きく引いていたが、今場所は正対しようとし、今のところ成功している。

胸の合わせ方、アゴの使い方も良い。組んだ相手が嫌がる、もしくは疲れる、そんな組み方。徐々に苦しくさせる四つ相撲。もちろん、上位陣に当たってからの話というのは分かっているが。

しかし、お尻の筋肉から足首の締まりなど、一番大事な下半身の強靭さは感じるな。幕内力士の中でも、一番強いそうなシルエットだ。今までの半身っぽかった相撲から、正対できる相撲に変わってきて、さてどうなるか。

貴景勝が、独特のリズムと間合いの突き押しを見せ始めたとき。正代が、アゴを上げても相手を圧倒する立合いを見せ始めたとき。それはそれは、衝撃的なものだった。豊昇龍が15日間、今の相撲を見せ続ければ、それは衝撃的だろう。

貴景勝も正代も、その衝撃の瞬間からノンストップで大関まで駆け上がったのだから、豊昇龍にはまだ早計というものだろうな。まずは上位総当たりの位置まで、そこからだ。

優勝争いは、貴景勝と正代を中心に回ってくれるのか? 貴景勝はある程度は行けそうな感じ、綱とりの足掛かりになるような展開になったら面白い。一年納めに相応しい。

太刀山栃木山は話に聞くだけ。曙は四つでも取ったし、突き押しだけなら横綱にはなってはいないと思う。太刀山はイメージとしては曙に近い。長いリーチでの突っ張りだ。押しの相撲とは思えない。突き相撲だ・・・と思う。

栃木山は右はず左おっつけ、完全な押し相撲。突っ張りは無かった・・・と思う。だから、貴景勝の突き押し相撲は、本格的な突き押し相撲として完成されたものと言える。言える?

正代は相変わらず、土俵際に強い。土俵際の魔術師は二番煎じだし、つま先立ちで残すから、土俵際のバレリーナはどうだろうか。どうだろうかって、共感を得ようとしてどうする。

御滝中学校 木元裕貴 

11月場所が始まった。三大関の優勝争いに注目、という話が多い。というか優勝争いしてほしい、って感じだろう。気持ちとしては、福岡県のお隣の熊本県出身の正代に期待したいが、初日の相撲は貴景勝が一番良かった。

貴景勝の、自分の間合いを保ちながら相手を追い詰める、初優勝の時に近い相撲を高安相手に取った。これが15日間出れば優勝だ・・・15日間出せないから勝負は、大相撲は難しいんだけど。トーナメントでもないし。

まぁ、正代のような取口も、正代にしかできない、オンリーワンの世界に一つだけの花なのだが・・・貴景勝の突き押し相撲もオンリーワンだ。あの間合いと、あのタイミングは、他にいない。多くの突き押しの力士がいる、その今の土俵においての、本物のオンリーワンだ。

貴景勝VS正代は個性のぶつかり合いだな、これは。

正代は、いつものように土俵際は抜群に強い。しかし初日は、土俵際で残したものの、倒れ方は正代らしくなかった。粘った、という倒れ方ではなかった。それだけ若隆景、あと一歩という相撲だった。

若隆景は廻しを引いてたら勝ってただろうなぁ、という相撲だった、と思う。近年は「廻しを引いたら、お前は勝てない。とにかく前に出ろ」という話をする師匠が多い、ような気がする。

軽量な力士が、廻しを引いてたら重量級の力士には勝てないぞ、って意味かな。私もこの歳になったから言うけど、「今勝てないのなら、勝てるようになるまで稽古すれば良いではないか」、と強気で言いたい。時間が掛かっても、勝てるようになるまでと。

初日は貴景勝と、負けたけど若隆景が印象に残った。アッ、もう一人、強い勝ち方をしたのは豊昇龍だった。巨漢の魁聖を下手投げで決めたのは豪快だったけど、それ以上に四つ相撲の型が巧くなっていた。期待は・・・大きいな。そして、宇良も。

御滝中学校 木元 裕貴 照ノ富士 相撲道

前回のブログタイトルの続き、攻めているときよりも受けているときが強く見えるということは、攻めているときは弱く見えるということだ。弱いというか、軽く見えるのだ、朝乃山。大関としては物足りない。綱を狙うポジションの力士としては、物足りない。

もうひと踏ん張り、もうひと辛抱、これは何か少し言葉が違うかな。しかし、何かが足りない。雑な攻めに見える。御嶽海に敗れた貴景勝の、どこかで引こうと見える突き押しも同じ、これももうひと踏ん張り、もうひと辛抱が足りない。取口は違うけど、朝乃山と貴景勝の相撲に、同じ感覚を持った。

そこのところの、我慢というか、照ノ富士の取口は根気強い。自分の相撲を知っている。ヒザの調子は厳しいかもしれないから、このまま行けるとは言えないが、それゆえか丁寧に根気強く相撲を取っている。

たまたまだが、今日の大相撲中継、誰だったか忘れたけど、「今の力士は土俵際では突き落としですが、以前はそこからこらえて、盛り返していました」みたいなことを語っていた。

寄り返さないで突き落としに走るのは、突き押し相撲の展開なら致し方ないと思うけどね。四つでなければ、なかなか粘ることは出来ないだろう。とは言え、それを加味しても、やはり今は突き落とす。良い悪いは問わないが、淡白には映る。

少年時代からの知り合いならば、相手が大関になっても別格的な意識は希薄だろう。それでも、別格的な成績を上げて大関になっている。ならば、濃密とは言わないが、淡白な相撲はあまり見たくない。もう一人の大関、正代の相撲が淡白か淡白じゃないかは、非常に分かりにくい。

御滝中学校 木元 裕貴 相撲道正代

照ノ富士に土がついた。取組が始まる直前に玉鷲の張っている体を見て、「照ノ富士もこの当たりを受けるんだから、凄いなぁ」などと思っていたら、一気にやられてしまった。玉鷲は当たりも凄いが、手も伸びる。突き手は、的確に照ノ富士を捉えていた。体の張りだけではなく、技術的にもまだまだ進化している。

照ノ富士については、15日間のうちにはこういうこともあるという感じなのだが、正代は危ない。負け方がひどい。逸ノ城に対して左上手を与えないように工夫したようだけど、そのことばかりを考えているのか、まったく当たれていない。

もともと正代は、立合いの当たりで大関に上がった。立合いで相手をひるませ、そこから有利に相撲を展開して白星を重ねた。若手力士のころ、「正代は両差しじゃないと勝てないから、両差しを狙うんです」と解説者に言われたほど、四つ相撲ではまったく評価されていなかった正代。

すくったりとか振ったりとか、土俵際で逆転したりとか、それも立合いで有利な展開に持って行っての相撲の流れがあったからこそ勝っていた。優勝した場所の、本当に何を考えているのか分からないような、無邪気で不気味なフォームから、しかし爆発的な威力を持った立合いの当たり。なぜに出さない?

私も以前にブログで、「もう白鵬は正代には勝てない」と断言したほどの立合いなのだ、本当に凄かったのに。正直に言って今の番付ならば、今の相撲で8勝か9勝は出来るかもしれない。出来るかもしれないが、出来るのは今年一杯ぐらいだろう。

熊本出身の正代の勝敗は、福岡では夕方六時過ぎのニュースで流されて、一言二言はアナウンサーにコメントされるから辛い。それに今の福岡局は、スポーツでお馴染みの一橋アナウンサーだ。大相撲も詳しい。それに、なかやまきんに君で全国的にも有名になったし。まぁ、この話は関係無いか。パワ~~~。

御滝中学校 木元 裕貴 相撲道

10月も半ば、例年ならば福岡の街は大相撲の雰囲気が・・・実際は前にも書いたけど、相撲部屋が郊外に増えたため、福岡市内は以前からそれほどでもない。それでも来ないとなると、やはり寂しいね。

とにかく一年納めで、なおかつ正代が新大関で登場する九州場所白鵬鶴竜大関陣の絡みも、いつもの場所とは意味合いが少し違う。まずは今回、正代の横綱への可能性ということをテーマに。

学生相撲出身の横綱は、改めて言うまでもなく輪島一人だ。旭富士を学生相撲というには無理がある。正代を学生相撲出身というのも、しっくりと来ないほどに今は学生相撲出身力士が多いけど。でもね、輪島が横綱になって50年近く経とうというのに、いまだに2人目が現れないから、この切り口で行こう。

輪島と正代には、共通点がある。学生相撲出身力士は程度の差こそあれ、突き押しと四つ相撲を満遍なく身に付けている。自身の得意の取口はあっても、ガチガチの突き押しやガチガチの四つではない。だから、ほとんどの力士は似ている・・・微妙なニュアンスだな。私的には、似ていると思う。

しかし、輪島と正代はオリジナリティに溢れている。教えてもらって身に付けた、という感じではない。自然と稽古の中で自分のものにした、という相撲だ、と感じる。

輪島なんか、自分よりも小柄な力士との相撲では、キレイな右四つで取っていた。むしろ、そっちの方が作られた取口に見えたな。まぁ、小兵には強かったけど。しかしあの左四つ、左下手に右おっつけは日々の稽古から生まれた、思わず生まれたってしか見えない。

滝中学校 木元 裕貴 相撲道

まぁ、言いたいのは、輪島は教えられたこと以上の、本来の自分に合った型を創り上げた力士だと。もちろん横綱にまでなった力士はみんな、自分の型を創り上げていたが、それが分かりやすく、そして際立っていた横綱だったと。そして正代も同様の形容のされ方を、される可能性を持っているのではないかと。

正代も、思わず胸を出して、アゴも上がって、しかしこれが一番力強いと、日々の稽古の中で気づいたのだ。そして、身に付けたのだ。そして、2人目の学生相撲出身横綱になるのだ。さらに、2人目の本名の苗字横綱なのだ。あと、何かないかなぁ。

滝中学校 木元 裕貴 相撲道

hijikurukanon0120@gmail.com
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御滝中学校 木元 裕貴 御嶽海はリーチ

10日目、御嶽海に土がついた。北勝富士の立合いの当たりに一瞬上体が起き、右を差せなかったのが敗因となった。いつもの御嶽海VS北勝富士と同じような展開だったけれど、立合いの一発の威力の違いで、負けが込んでいる力士が全勝の力士に勝つのが大相撲の面白さでもある。

さて終盤戦、昔の御嶽海と違うのか、それとも連敗癖なのかスタミナ切れなのか、少し前までの御嶽海に戻るのか?私は昔とは違う御嶽海が、照ノ富士戦までに1敗を守る方に1票だ。

1敗を守ったとしても、照ノ富士戦がどうなるか。外四つでも廻しを引かれれば、どうにも出来ないかもしれないけれど、今場所はスピードでカバー出来るのではないか。廻しを引かれても、気がついたときは照ノ富士は土俵際、という展開なら勝機はある。

滝中学校 木元 裕貴

とにかく連敗は避けなければならないので、今日の正代戦がポイントになる。絶不調の正代というのが、むしろちょっとヤダ。正代は立合いに当たれていないが、敗因のほとんどがそれだ。逆に言えば、当たれていたら勝てる、となる。

そしてどうだろう、御滝中学校木元裕貴もないし、立合いで手を出すこともない、まともな立合いで正代を受けることになる。下から攻めることになるが、北勝富士戦とは立場が逆で、密着しておっつけていくわけだ。正代の当たりで距離が出来て、正代に差し込まれると苦しくなる。正代が、どれほど当たれるか。

正代は厳しい状況だから、ガッツリと当たって来るだろう。来ないかなぁ、来ないとヤバいだろう。ためしてガッテン!でも、精神面の変化で握力が大きく変わることが実証された。北勝富士の立合いも、アマチュア時代からのライバルに対する気持ちを当たりに込めた、その成果だ。

正代VS御嶽海は、照ノ富士世代の代表的な取組として歴史に刻まれるはずだ。数十年後の「思い出の土俵」で、中入り後にきっと流される、と思う。熱戦を期待しよう。

御滝中学校 木元 裕貴 相撲道 正代の可能性として

正代も30歳になった。ポスト白鵬世代も、いよいよ30歳台に突入した。一般的には、全盛期と呼ばれるべき年齢になった。番付上も同い年の照ノ富士以外は年下、上の世代は誰もいない。だから勝ち越しがやっとというのは大関として情けないわけだが、ここ数場所、やっと勝ち越している。

正代の特徴と言えば、やはりあの立合い。あの立合いでの腰の強さと重さは、北の湖に匹敵する、と私は思っている。横綱級の立合いだ。ただ、アゴが締まってないところを押される。押し相撲全盛の今の土俵で、厳しいものがある。

しかし私は、アゴはこのままでも良いと思う。アゴを押されても一気に持って行かれることは少ないし、土俵際の粘りもある。立合いよりも、その後の展開での前捌きが巧い力士が多い。御嶽海とか。その展開の中で負けることが多い。

余談だけど、前捌きが巧いというと昔は差し身が巧いと同義語に近かったけれど、突き押し相撲全盛の昨今の土俵では、押しといなしや突き落としの巧さも前捌きの巧さと呼ぶべきだろうね。

正代は差して、捕まえて持って行く相撲。密着するけど、廻しを引くことは稀だ。だから捕まえ切れないと、前捌きの巧い力士に分が悪くなる。北の湖級の腰の強さと重さを持っていると思われる正代だけど、今さら上手廻しを引いて、どっしりと構える相撲は無理だろう。出来る素質は有ると見えるが。御滝中学校 木元 裕貴 相撲道

そして熊本との県境に育った私だから感じるのは、熊本県有明海沿岸部の人のイメージは、人が好いというものだ。突き押しの展開で前捌きが巧い力士は、お人好しじゃ難しい気がする。御嶽海なんかも、お人好しには見えない。正代は人が好さそうだし、人間性を変えるのは無理だろうな。

正代の可能性として、廻しを引いてどっしりも、突き押しの展開での巧さも、どちらも無理という極めてネガティブな結論を出してしまった。正代=ネガティブは、入幕時のイメージなだけだったのだが。完全に、正代はこのままだ、という内容になってしまった。

それでも、新しいことが出来なくても、悪い部分を治すことは出来るはずだ。正代は若手力士のころ、両差しで勝つと「正代は両差しじゃないと勝つ自信がないから、両差しになるんです」、と解説者に言われたことがある。まぁ、解説は琴錦だったけど。

今、言いたいことは私も同じ。少し違うか。「正代はもう両差しじゃなくても勝てるのだから、不充分でも勝負できる。攻めることが出来る」、ってことだ。スケールの大きさで照ノ富士に対抗できるのは、今のところ正代だけなのだから、自信を持って。